ミヤウチ 生ゴミ処理機の基礎知識
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生ゴミ処理槽TRASH

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1.はじめに-生ゴミ処理装置の開発の意義- 6.操作条件について
2.生ゴミ処理方式の分類と処理特性 7.臭気対策について
3.生ゴミ分解の原理 8.メンテナンス上の諸問題残滓の処理など
4.処理装置の分類と特徴 9.おわりに-小型生ゴミ処理装置の困難と魅力-
5.処理性能の指標

5.処理性能の指標

 生ゴミ処理機の「性能」とは、何を指すのだろうか?コンポスト型の場合には、単にゴミの減量率ではなく、得られる製品 コンポストの品質や収量なども評価の対象になるであろう。消滅型の処理機の場合には、まずゴミの減量率が処理性能の基準 となるべきであるが、現時点では統一化された基準で性能が指示されていない。例えば、全国各地で開催される廃棄物処理展 や環境フェアなどに展示される生ゴミ処理機の処理性能に関して、筆者の印象ではあいまいな表現で語られる場合が多いよう に感じられる。いわく「無くなります」「消えます」「完全に消滅します。」などなど。しかし、実際に測定データが示され ることは、ほとんどない。説得力のあるデータをきちんと示す必要がある。単に見かけ上、消えてなくなったように見えるだ けではダメである。大量のバルキング材に埋もれてしまえば、確かに消えて無くなったように見える。特に分解が進むと容積 の減少は顕著であるから、見た目にはよく分からなくなる。しかし重量が減少していなければならない。重量基準の処理性能 表示は必須である。
 まずは基準となるのは、生ゴミ全体の減量率である。先に簡単な計算例を示したこの「減量率」は、水分を含めた投入生ゴ ミ全体の変化量を表すものである。この値を得る最も単純で直接的な方法は、処理機全体を秤に載せて、その重量を経済的に 測定することである。ただし、通常は生ゴミ処理構内にはオガクズなどのバルキング材も混在しているので、得られる値は、 これらに含まれる水分の変化などすべてを総計したものである。すなわち、短時間ではバルキング材自身の乾物重量はしない ものとして、

全体の重量変化量=生ゴミの重量変化量+バルキング材の水分変化量(1)
と考えてよい。この場合の「減量率」は次式で得られる。
減量率=全体の重量変化量/生ゴミ投入量(2)

  この値は、1日当たりの値、あるいは処理開始からの累積値で求めることになる。いずれにせよ、減量率の算出には処理槽 内堆積物の平均含水率の測定は必須である。1ヶ月といった連続処理実績の際には、時々減量率が100%を越える日も出て くる場合がある。それは、堆積層内の水分減少量と有機物分解量が大きく、投入生ゴミ重量を超えてしまったケースである。 累積値で見た減量挙が100%を越えるような場合には、バルキング材等の減量を疑う必要がある。先の計算例で見たように 、投入された生ゴミの重量減少率が90%を大幅に越えることは、滅多に起こらないからである。

 上記の処理性能は、生ゴミ全体の重量基準であるが、生ゴミの「分解」を中心に考えるならば、乾物中の有機物を基準とし た「減量率」を求めなければならない。乾物中の有機物量は、通常「強熱減量」で表される。この値は、有機物はを乾燥させ て重量を測定し、次に800℃以上の高温で燃やし(恒量に達した磁器香炉坩堝[るつぼ]を用いる)、得られる灰分の重量 を測定して、両者の差を取ることで得られる。ただし実際には、生ゴミ処理槽内にはオガクズなどのバルキング材が混入して いる場合が多いので、投入前はともかく、槽内に投入された生ゴミ中の有機物だけを正確に測定することは難しい。残渣とバ ルキング材が簡単に分離できるような装置であれば、上に述べた方法で強熱減量を計測し、有機物の分解率を正確に求めるこ とができる。

 消滅型の生ゴミ処理機の性能としては、重量の減量率が重要であることは論を待たないが、その他にも次のような幾つかの 指標が考えられる。

1) 臭気発生の少なさ(実際の使用に当たっては極めて重要)
2) 維持管理の容易さ(同上)
3) エネルギー消費の少なさ
4) 残渣の取り出し、または内容物の交換の容易さ
5) 使用上の清潔感
6) 静斎性(実際の使用に当たっては案外重要)
7) 長期的な性能の安定性
8) 装備全体の耐久性
9) 経済性(装置・設備自体のコストとランニングコスト)
10) コンパクト性(大きすぎる装置は邪魔である)

 これらの中には、数値化が容易なものと困難なものがあり、また計測の容易でないものが多いが、いずれも実際の使用に当 たって、ユーザー側から当然求められる性能であり指標であろう。こうして見ると、生ゴミ処理機に求められる技術的課題の 多さが、改めて浮き彫りになる。
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