| やればできる |
|
長男が小学3年に進級したとき、日記への取り組みが始まった。一行でいいから毎日書いてみようというもの。日記はその日の先生の感想が添えられて戻る。そのころ私は毎日のように息子に「準備は大切よ。前の日にしようね」と声をかけてきた。マイペースでじっくり型の息子は宿題に手間取る。入浴、食事、9時には眠くなってダウン。準備をせずに、朝あわててそろえる日が続いた。忘れ物も多くなり、提出書類を朝になって渡されて困った。「言わんとできんね!」日に日に私の小言が増えた。ある日その怒りが頂点に達した。息子がうなだれて、目を赤くするまで言葉をぶつけた。その晩、息子の日記を開いた。力強く大きなマスいっぱいの字で書き付けた詩が目に入った。 本読みをしないと 「いわれんとできんね!」 準備をしないと 「いわれんとできんね!」 これは、お母さんのセリフ そのときはこわいけど、あとからやさしくなる でも、「いわれんとできんね!」はほんとじゃない ウソダ ぼくも、ほんとはいわれんでもできる 何度も何度も読み返した。悲しそうな息子の顔が浮かんで涙が出てきた。翌朝言い過ぎを謝った。気持ちを伝え、話し合いをした。日記にも”分かりました。やれば出来るよね。もう言いませんよ”と書き込んだ。翌日戻った日記には、赤インクの大きなハナマル。最後の二行には波線がひかれ、”先生、この日記大好きです。すごくいいです。”と書かれていた。この日から息子の日記の回数は増えた。本読みも準備も、彼なりのペースで取り組み始めた。私達が彼のペースを見守る心を持ったことで、息子の”やればできる”自信は、日ごとに強まっていくようだった。今でも「言われんと・・・」と言いたくなることがある。そんな時あの日の息子の日記を思い出す。 |